肌の印象を左右するのは、実は目に見えない“角質の状態”です。どんなに丁寧にスキンケアをしても、古い角質が肌表面に残っていると、くすみやごわつきの原因となり、せっかくの美容成分も浸透しにくくなってしまいます。
そこで今、注目されているのが「AHA(フルーツ酸)」です。自然由来の酸でありながら、やさしく古い角質に働きかけ、肌本来の美しさを引き出してくれる成分ですが、他にも同様の効果が期待できる成分があり、どれを選ぶべきか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
肌ケアでは「何を使うか」だけでなく、「その成分が他のものと比べてどこが違うか」を知ることが、自分の肌に合ったケアを見つける鍵になります。ここでは、AHAとよく比較される成分—主にBHA(ベータヒドロキシ酸)や物理的ピーリング(スクラブなど)—との違いを見ていきましょう。
この記事は、化粧品販売を手がける株式会社ドクターサニーが執筆しました。長年にわたりお客様のお肌と向き合ってきた経験と、信頼できる専門情報に基づき、毎日のスキンケアに役立つ知識をわかりやすくお伝えしています。
AHA vs BHA(β-ヒドロキシ酸)
AHA(アルファヒドロキシ酸)は水溶性で、肌表面の古い角質をやさしく剥がすタイプ。一方、BHA は油に溶ける性質があり、皮脂や詰まり(毛穴の中)にもアプローチできる点が違いです。 CeraVe+3Healthline+3Associated Skin Care Professionals+3
主な違い
| 特徴 | AHA | BHA |
|---|---|---|
| 溶ける性質 | 水溶性で肌の表面に作用する。 Healthline+1 | 油溶性で、毛穴の中にある皮脂にも届きやすい。 Healthline+1 |
| 対象となる肌悩み | くすみ・色ムラ・乾燥・細かいシワなど、肌表面の悩みに強い。 Healthline+1 | ニキビ・毛穴詰まり・脂性肌など“内部の詰まり”や油分バランスの乱れに有効。 Healthline+1 |
| 刺激性・使用感 | 分子の大きさ/濃度/pHによっては刺激を感じやすいことも。 Healthline+1 | 比較的肌の奥への刺激よりも“毛穴の詰まりへの作用”が主体なので、油性肌・混合肌の人には使いやすいことが多い。 Healthline+1 |
引用例文
「AHAs are water-soluble acids made from sugary fruits. They help peel away the surface of your skin so that new, more evenly pigmented skin cells may generate and take their place. On the other hand, BHAs are oil-soluble. Unlike AHAs, BHAs can get deeper into the pores to remove dead skin cells and excess sebum.」 Healthline
AHA vs 物理的ピーリング(スクラブなど)
物理的ピーリングは、スクラブ粒子やブラシ・スポンジなどの摩擦によって古い角質を“こすって落とす”方法です。一方、AHAは化学的に角質と角質をつなぐ結合をゆるめて剥がしやすくする作用から作用します。摩擦による刺激を避けたい人、敏感肌の人には化学的ピーリング(AHAなど)が適していることが多いです。 Skin Ceuticals+2Westlake Dermatology & Cosmetic Surgery®+2
主な違い(簡単比較)
| 特徴 | AHA(化学的ピーリング) | 物理的ピーリング(スクラブ等) |
|---|---|---|
| 角質の除去方法 | 酸によって角質細胞同士のつなぎ目をゆるめ、自然と剥がす。 Westlake Dermatology & Cosmetic Surgery®+1 | 摩擦や粒子でこすることで角質を削ぎ落とす。 Westlake Dermatology & Cosmetic Surgery®+1 |
| 肌への刺激の度合い | 正しい濃度・pHなら比較的やさしく作用する傾向。特に敏感肌用や乾燥肌用のAHA製品はマイルドな処方が多い。 Healthline+2Associated Skin Care Professionals+2 | 粒子が粗かったり摩擦が強かったりすると、マイクロティア(微細な切れ目)や炎症を引き起こす可能性がある。 Westlake Dermatology & Cosmetic Surgery®+1 |
| 使用頻度・扱いやすさ | 定期的な使用で徐々に効果が現れる。肌が慣れるまでは回数を少なくすることが望ましい。 メディカルニューストゥデイ+1 | 即効性を感じやすいが、頻繁に使うと肌への負担が大きい。適切な粒子のスクラブを選び、使う頻度をコントロールすることが大切。 Westlake Dermatology & Cosmetic Surgery® |
「どちらがいいか」は肌質と肌悩みによる
健やかな肌を育てるには、“自分の肌が何を求めているか”を知ることがスタートです。
- 乾燥・くすみ・シワなど肌の表面に出てきている年齢サインが気になる方 → AHAがマッチしやすい
- 毛穴詰まり・脂性肌・ニキビなど皮脂や内部の詰まりが悩みの人 → BHAを含む処方や、AHA+BHAの組み合わせを検討する価値あり
- 敏感肌・肌が薄くなってきていると感じる方 → 物理的スクラブは慎重に。AHAのやさしい処方(低濃度・pH調整済み)を少しずつ使うのがおすすめ
